2017.07.30 Sunday
ジュラアーム96
L96AWSをお持ちの方は分かると思うのですが、まーHOPが効きません。
HOPダイヤルの最初の1回転は空回りしてるんじゃねーかってくらい。
特に最弱位置にしてコッキングすると弾ポロする始末。
マルイ製BB弾を使えばまだマシというハナシも聞きますが、0.28gはおろか、
0.25gでもHOPの効きが足りないという。
チューニングパーツや加工で対策は可能ですが、専用品が発売されている
わけではないので、苦労されている方やそのまま本体を眠らせている方も
多いでしょう。
ざっと調べてみたのですが、L96AWSって発売されてんのは外装系パーツ
ばっかりなのね。特にチャンバーまわりは何処も出してない。
・・・世のパーツメーカーどもはなにやってたの?
(全方位に喧嘩を売るスタイル)
※読者の方でL96AWS用の対策パーツをご存じの方がおられたら教えてください。
競合製品も無いということが分かったので、早速開発に取り組むことにしま
した。
参考にしたサイトは
・パカ山さんとこのブログ
・いつもお世話になってるガンジニアさん
です。
さすが両名とも鋭い考察をされてます。
世の中にカスタム屋が玉石混合でひしめいてますが、ガンジニアさんと
パカ山さんは当工房も一目置く「ホンモノ」です。
正直なところ、かなわないなあと感じます。
上記サイトを参考にした上でL96AWSの分解と検証を行った結果、基本方針は
HOPアームに手を入れてHOPのプリテンション(初期荷重)を増やすことに
決定しました。
ガンジニアさんの記事にある、HOPアームにプラ板を貼りつける方法はチュ
ーニング手法としてはお手軽で効果も高いですが、
ボウコウは「接着」という工法を全く信用してません。
(溶着とかは別ね)
また、貼りつけるプラ板の厚みを間違うと適正HOPを外れてしまうので、
現物合わせのトライ&エラーが必要です(つまりめんどくさい)
貼りつける板も正しく取り付ける必要があります。
更にパーツ屋の矜持として
「開発するパーツは極力加工不要であること」
という命題を自らに課してますので、パーツ交換でこれを実現する必要が
あります。
つまりフルスクラッチでこの形状をでっち上げればいいわけです。
幸いなことに当工房にはCNC加工機があります。
少量生産であればコイツで十分まかなえます。
ノーマルパーツをさっくりリバースエンジニアリングして調整が必要な部分
を再設計します。
形状もウォーターライン切削だけでいけそうなので、いくつか突き出し量
の異なる試作品を作ってテストしていけばバッチリでしょう。
加工自体も3次元加工が必要なジュラアームBより簡単に済みそうです。
気温が高すぎて作業のできない日や作業後の夜間(気づいたら徹夜orz)に
設計を進め、材料を機械にセットしたらまた作業に戻るという、いつもの
製品開発時の生活サイクルで日々をこなします。
プログラムを走らせるスケジュールをしっかり立てれば、夜寝てる間に
加工を行って、翌朝検証というパターンが確立するので、開発にかかり
きりになるということもありません。
試作とテストを繰り返した結果、
・HOP最弱位置:0.2g弾で弱HOP
・HOP最強位置:0.28g弾でやや鬼HOP
というセッティングにしました。
ノーマルHOPの最弱位置
ジュラアーム96の最弱位置
テストの結果はバッチリ。綺麗に重量弾でも飛ばしきれるようになり
ました。
逆にこれ以上強くしても初速が下がるばかりで効果がありませんので、
より強いHOPを掛けたい場合はインナーバレルの加工などの大工事が
必要になるでしょう。
これで大抵のユーザーの要望はカバーすることができるはずです。
(ちなみに量産仕様が決定したのはVショーの前日という)
ハイチューンを求める層には不満もあるかもしれませんが、スプリング交換
レベルのミドルチューンまでであれば十分対応できるでしょう。
というわけで予想以上の効果があったジュラアーム96ですが、いきなり開発
したわけではありません。
何故この時期にL96AWS用パーツなのかという疑問もあるでしょう。
周回遅れにも程がある。
以前から「マルイ製L96AWSはHOPが弱い」というハナシは聞いていたのですが、
現物に触れる機会に恵まれず、研究をしていなかったのです。
ところが上記対策をしてほしいとの依頼があったため、加工対応してみたと
ころ「これパーツ化できんじゃね?」ということで試作とテストを進めていた
という次第。
それでも疑問な方は先日のVショーでの同業他社との会話をご参照ください。
──────
T「なんでM40とか出たところなのに96なの?」
暴「だってつまんねーじゃん。」
A「この時期に96ってwww」
暴「ウチらしいでしょ。」
B「96ってのが戦民らしいですわ」
暴「そうようのうそうようのうw」
──────
「意表を突く」これが戦民思想のモットーです。
特に最近はサラマンダーPLUSとかレールジョイントとかP99FS用HOPとか
市場に媚びるような商品ばかり流通サイドから言われるがままに作って
てつまんねーなーと感じてたんです。
※何度も言ってますが当工房は多弾マガジンアダプタ屋じゃありません。
それはそれで当工房らしい商品ではあるのですが、なんというか刺さる
層にドストライクに刺さる商品の開発が滞っているなーと常々思ってい
たんです。
(実際、エンドユーザーと対面する機会のあるVショーでは主力級の
製品はあんまり売れません)
それに開発の機会があって効果があると踏んだから発売しただけなんですよ。
内製のCNC加工だから製造コストも下げられましたし。
アルミ切削でこの価格は外注じゃ無理です。
2017/07/30現在、Vショーの売れ残り先行量産版が以下の店舗に
少数流通しております。
・Dress&Gun
・マイトリー(たぶん:詳細は店舗にお問い合わせ下さい)
・L.A.ホビーショップ
・模型のアサヒヤ
正規量産版を出荷するのにはもうしばらくかかりますので、お急ぎの方は
こちらからお求めください。
HOPダイヤルの最初の1回転は空回りしてるんじゃねーかってくらい。
特に最弱位置にしてコッキングすると弾ポロする始末。
マルイ製BB弾を使えばまだマシというハナシも聞きますが、0.28gはおろか、
0.25gでもHOPの効きが足りないという。
チューニングパーツや加工で対策は可能ですが、専用品が発売されている
わけではないので、苦労されている方やそのまま本体を眠らせている方も
多いでしょう。
ざっと調べてみたのですが、L96AWSって発売されてんのは外装系パーツ
ばっかりなのね。特にチャンバーまわりは何処も出してない。
・・・世のパーツメーカーどもはなにやってたの?
(全方位に喧嘩を売るスタイル)
※読者の方でL96AWS用の対策パーツをご存じの方がおられたら教えてください。
競合製品も無いということが分かったので、早速開発に取り組むことにしま
した。
参考にしたサイトは
・パカ山さんとこのブログ
・いつもお世話になってるガンジニアさん
です。
さすが両名とも鋭い考察をされてます。
世の中にカスタム屋が玉石混合でひしめいてますが、ガンジニアさんと
パカ山さんは当工房も一目置く「ホンモノ」です。
正直なところ、かなわないなあと感じます。
上記サイトを参考にした上でL96AWSの分解と検証を行った結果、基本方針は
HOPアームに手を入れてHOPのプリテンション(初期荷重)を増やすことに
決定しました。
ガンジニアさんの記事にある、HOPアームにプラ板を貼りつける方法はチュ
ーニング手法としてはお手軽で効果も高いですが、
ボウコウは「接着」という工法を全く信用してません。
(溶着とかは別ね)
また、貼りつけるプラ板の厚みを間違うと適正HOPを外れてしまうので、
現物合わせのトライ&エラーが必要です(つまりめんどくさい)
貼りつける板も正しく取り付ける必要があります。
更にパーツ屋の矜持として
「開発するパーツは極力加工不要であること」
という命題を自らに課してますので、パーツ交換でこれを実現する必要が
あります。
つまりフルスクラッチでこの形状をでっち上げればいいわけです。
幸いなことに当工房にはCNC加工機があります。
少量生産であればコイツで十分まかなえます。
ノーマルパーツをさっくりリバースエンジニアリングして調整が必要な部分
を再設計します。
形状もウォーターライン切削だけでいけそうなので、いくつか突き出し量
の異なる試作品を作ってテストしていけばバッチリでしょう。
加工自体も3次元加工が必要なジュラアームBより簡単に済みそうです。
気温が高すぎて作業のできない日や作業後の夜間(気づいたら徹夜orz)に
設計を進め、材料を機械にセットしたらまた作業に戻るという、いつもの
製品開発時の生活サイクルで日々をこなします。
プログラムを走らせるスケジュールをしっかり立てれば、夜寝てる間に
加工を行って、翌朝検証というパターンが確立するので、開発にかかり
きりになるということもありません。
試作とテストを繰り返した結果、
・HOP最弱位置:0.2g弾で弱HOP
・HOP最強位置:0.28g弾でやや鬼HOP
というセッティングにしました。
ノーマルHOPの最弱位置
ジュラアーム96の最弱位置
テストの結果はバッチリ。綺麗に重量弾でも飛ばしきれるようになり
ました。
逆にこれ以上強くしても初速が下がるばかりで効果がありませんので、
より強いHOPを掛けたい場合はインナーバレルの加工などの大工事が
必要になるでしょう。
これで大抵のユーザーの要望はカバーすることができるはずです。
(ちなみに量産仕様が決定したのはVショーの前日という)
ハイチューンを求める層には不満もあるかもしれませんが、スプリング交換
レベルのミドルチューンまでであれば十分対応できるでしょう。
というわけで予想以上の効果があったジュラアーム96ですが、いきなり開発
したわけではありません。
何故この時期にL96AWS用パーツなのかという疑問もあるでしょう。
周回遅れにも程がある。
以前から「マルイ製L96AWSはHOPが弱い」というハナシは聞いていたのですが、
現物に触れる機会に恵まれず、研究をしていなかったのです。
ところが上記対策をしてほしいとの依頼があったため、加工対応してみたと
ころ「これパーツ化できんじゃね?」ということで試作とテストを進めていた
という次第。
それでも疑問な方は先日のVショーでの同業他社との会話をご参照ください。
──────
T「なんでM40とか出たところなのに96なの?」
暴「だってつまんねーじゃん。」
A「この時期に96ってwww」
暴「ウチらしいでしょ。」
B「96ってのが戦民らしいですわ」
暴「そうようのうそうようのうw」
──────
「意表を突く」これが戦民思想のモットーです。
特に最近はサラマンダーPLUSとかレールジョイントとかP99FS用HOPとか
市場に媚びるような商品ばかり流通サイドから言われるがままに作って
てつまんねーなーと感じてたんです。
※何度も言ってますが当工房は多弾マガジンアダプタ屋じゃありません。
それはそれで当工房らしい商品ではあるのですが、なんというか刺さる
層にドストライクに刺さる商品の開発が滞っているなーと常々思ってい
たんです。
(実際、エンドユーザーと対面する機会のあるVショーでは主力級の
製品はあんまり売れません)
それに開発の機会があって効果があると踏んだから発売しただけなんですよ。
内製のCNC加工だから製造コストも下げられましたし。
アルミ切削でこの価格は外注じゃ無理です。
2017/07/30現在、
少数流通しております。
・Dress&Gun
・マイトリー(たぶん:詳細は店舗にお問い合わせ下さい)
・L.A.ホビーショップ
・模型のアサヒヤ
正規量産版を出荷するのにはもうしばらくかかりますので、お急ぎの方は
こちらからお求めください。