2014.06.22 Sunday
mk23カービンデバイスは分離できません。
画像はmk23カービンデバイスを位置合わせをしているところですが、見ての
通りmk23のフレーム下部が完全に干渉します。
このため当工房の製作方法ではフレームを切断して干渉を排除するのですが、
フレームを切断しないようにするには以下の方法が考えられるものの、
・カービンキットの下部を切り取る
→固定ネジがなくなるので剛性が下がります。
→下部マウントベースは撤去あるいはかなりグラグラになります。
・mk23本体を上方向にオフセットする
→カービンキットのマズルと中心軸がずれます。
→バレルの中心軸を合わせるのが難しくなるので、分解結合時の調整が大変
・サブフレームを作って外側から更に本体を固定する
→ツギハギだらけの外見になります。
→分解が更に大変になります。
→部品点数が増えればその分信頼性が下がります。
そもそも、ベースに使っているHERAのM1911用カービンを割るためには
・11箇所の側面固定ボルト(M3)
・7箇所のマウントベース固定ネジ(M5)
・ストックパイプ
を取り外す必要があります。
フィールドでそんなことをやったら確実にネジを無くします。
たまに納品後に分解をする方がおられるのですが、大体組み方を間違えて
当工房に修理扱いで戻ってきます。
(mk23はバレル清掃くらいで十分なので、通常はメンテフリーです)
それにmk23本体を取り外して元に戻したら、ゼロインはやり直しです。
サイト調整をしなければカービンデバイスを使う意味はありませんので、
ゼロインは分解/結合を行う度に必須となります。
当工房がこの仕様に至るまでには、様々な仕様検討と実地検証、製作コストの
算定や堅牢性の考慮を行っております。
仮に分離してmk23を単体使用できるようにしたら、必ずどこかに不満が出て
きます。(固定が甘い/構えにくい/狙いにくい/見た目がアレ等)
「加工がめんどくさいからフレーム切っちまうかぁ。」
などという安易な理屈で製作を行っているわけではないのです。
逆に「面倒」ごときで済む作業なら当工房は必ずやります。
プライベーターが自分で好みの仕様を作り上げるならともかく、仕事として、
製品として納品する以上、中途半端な完成度ではお出しできないのです。
カービン/単体どちらで使っても不満が出るようなどっちつかずの銃を作る
くらいなら、本来の仕様できっちりとした性能を発揮させるべきというのが
当工房の設計思想です。
どうしてもmk23を単体で使いたいという場合は、もう一丁mk23を買ってくだ
さい。長い目でみればその方が絶対にいいです。
以上から、現状の当工房の技術力ではカービンデバイスの分離使用はでき
ません。
mk23専用のカービンキットを作ってしまえばこの問題は一挙に解決するんですが・・・
製品開発ってすげえパワー使うんで当分先だよなあ。