2014.05.02 Friday
COLT Monitorの製作
「COLT Monitorってなんぞ?」という方はこちらをご覧下さい。
(私は依頼が来るまで存在を知りませんでした)
実銃はBARの最終型で、法執行機関に一部が配備されただけという生産数が非常に
少ないモデルのようです。
ギャングもののアメリカ映画でたまに出てくることもあるみたいですが、細かい
背景はよくわからないので、構造や形状の調査が終わり次第製作に入ります。
要求仕様は以下の通り。
[ベース銃]
・ArrowDynamic製BAR M1918
[外装]
・木製ハンドガード
・木製ピストルグリップ
・木製ストック
・フラッシュハイダー
[内部機構]
・メカボックス調整(作動安定性と耐久度アップ)
・マガジン装弾数増加
内外装含めて実質のフルチューンです。
メカボックスの調整はノウハウのあるショップに外注しました。
ハイダーはいつもの旋盤工(発注コードネーム"NMT")に任せます。
残りの項目が内製となります。

まずいつもどおり、実銃の写真を同縮尺に引き延ばして型紙とします。

Monitorに床尾上板はついていないので、ヒンジ基部をバラしてから削ります。

グリップの形状はすっかり実物と同じ形にすると操作性が良くなかったので、
一部削り込みを深くして握りやすくしてあります。
用途がゲームの場合、当工房では割とこういったデフォルメを施します。
とはいえ見た目も大事なので、このあたりはさじ加減です。

グリップの固定はフレームを貫通させて上部から太めのビスで強力に固定します。
このため横のビスはダミーです。


ストック固定用の部品は純正プラグリップから移し替えます。
何がってこれが一番大変でした。

外形は内側のすり合わせに比べればどってことないですが、ストックパッドと
チリを合わせるのが意外に大変でした。
微妙なカーブを描いているのが分かるでしょうか。

ハンドガードは概形を大雑把に削ってからフライスで整えます。

滑り止め?の横溝を作ってから上部にカバーをかぶせます。
カバーは鉄板をベンダーで曲げてから黒染めで表面を仕上げました。
カバーがかぶる部分は鉄板の厚み分だけさらい、表面がツライチになるよう
調整するのも忘れずに。

ハイダーは製作に時間がかかるので、ひとまず代わりのハイダーをつけて
仮納品しました。
────────────────────
「もうちょっとマシなハイダーは無かったのか」
という突っ込みには
「当工房でハイダーつったらこれ以外に何が?」
という回答になります。
────────────────────

仮納品時の依頼主の図。
M16に強化手術でも施したのかってくらいゴツイ外見です。

その頃、ハイダーは黙々と製作されていきます。
形状が特殊なため、製作はむちゃくちゃ大変です。
写真の横溝を一本掘るだけでも専用の刃で大体40分くらいかかります。
超ジュラルミン無垢材からの削り出しです。


切削完了後、塗装を施したのがこちら。

このとおり中空構造のため、3ピースで製作してあります。
各パーツのクリアランスはギリギリまで詰めてあるので、ガタなにそれ?って
具合にカッチカチです。
おそらく実物もセパレートになっているはずです。
外注先の旋盤工は手加減というものを知らないので、手間と技術を容赦なく
つぎ込んできます。
暴 「外見はコンマ何ミリとかいうレベルまで詰めなくてもいいんだよ?」
NMT「だって折角作るんだよ?ちゃんとしたの作ろうよ!」
暴 「あーいや・・・うん。よろしく。資料探しときます。」
─────数日後─────
NMT「できたよ。はいこれ。」
暴 「ちょっと待てや!オーバークオリティにも程があんだろ。」
NMT「だって○○規格とか××の指標調べて全部その通りに作ってるもん。」
暴 「(うはぁ・・・コレ依頼主にどうやって請求すんべ?)」
↑外注しに行くと大体こんな感じです。
出来上がってくる品物の品質は非の打ち所がないのですが、依頼主に金額を
請求する立場としてはヒヤヒヤものです。


ハイダーが本体に取り付けられて、ようやく完全体となります。

他のエアガンとサイズを比較すると大体こんな感じです。でけえよ。
ちなみにこの依頼品は単体のオーダーメードとしては過去最高の受注金額と
なりました。
金額に見合うだけの手間暇はつぎ込んでいるので、依頼主もきっと満足して
くれることでしょう。
(私は依頼が来るまで存在を知りませんでした)
実銃はBARの最終型で、法執行機関に一部が配備されただけという生産数が非常に
少ないモデルのようです。
ギャングもののアメリカ映画でたまに出てくることもあるみたいですが、細かい
背景はよくわからないので、構造や形状の調査が終わり次第製作に入ります。
要求仕様は以下の通り。
[ベース銃]
・ArrowDynamic製BAR M1918
[外装]
・木製ハンドガード
・木製ピストルグリップ
・木製ストック
・フラッシュハイダー
[内部機構]
・メカボックス調整(作動安定性と耐久度アップ)
・マガジン装弾数増加
内外装含めて実質のフルチューンです。
メカボックスの調整はノウハウのあるショップに外注しました。
ハイダーはいつもの旋盤工(発注コードネーム"NMT")に任せます。
残りの項目が内製となります。
まずいつもどおり、実銃の写真を同縮尺に引き延ばして型紙とします。
Monitorに床尾上板はついていないので、ヒンジ基部をバラしてから削ります。
グリップの形状はすっかり実物と同じ形にすると操作性が良くなかったので、
一部削り込みを深くして握りやすくしてあります。
用途がゲームの場合、当工房では割とこういったデフォルメを施します。
とはいえ見た目も大事なので、このあたりはさじ加減です。
グリップの固定はフレームを貫通させて上部から太めのビスで強力に固定します。
このため横のビスはダミーです。
ストック固定用の部品は純正プラグリップから移し替えます。
何がってこれが一番大変でした。
外形は内側のすり合わせに比べればどってことないですが、ストックパッドと
チリを合わせるのが意外に大変でした。
微妙なカーブを描いているのが分かるでしょうか。
ハンドガードは概形を大雑把に削ってからフライスで整えます。
滑り止め?の横溝を作ってから上部にカバーをかぶせます。
カバーは鉄板をベンダーで曲げてから黒染めで表面を仕上げました。
カバーがかぶる部分は鉄板の厚み分だけさらい、表面がツライチになるよう
調整するのも忘れずに。
ハイダーは製作に時間がかかるので、ひとまず代わりのハイダーをつけて
仮納品しました。
────────────────────
「もうちょっとマシなハイダーは無かったのか」
という突っ込みには
「当工房でハイダーつったらこれ以外に何が?」
という回答になります。
────────────────────
仮納品時の依頼主の図。
M16に強化手術でも施したのかってくらいゴツイ外見です。
その頃、ハイダーは黙々と製作されていきます。
形状が特殊なため、製作はむちゃくちゃ大変です。
写真の横溝を一本掘るだけでも専用の刃で大体40分くらいかかります。
超ジュラルミン無垢材からの削り出しです。
切削完了後、塗装を施したのがこちら。
このとおり中空構造のため、3ピースで製作してあります。
各パーツのクリアランスはギリギリまで詰めてあるので、ガタなにそれ?って
具合にカッチカチです。
おそらく実物もセパレートになっているはずです。
外注先の旋盤工は手加減というものを知らないので、手間と技術を容赦なく
つぎ込んできます。
暴 「外見はコンマ何ミリとかいうレベルまで詰めなくてもいいんだよ?」
NMT「だって折角作るんだよ?ちゃんとしたの作ろうよ!」
暴 「あーいや・・・うん。よろしく。資料探しときます。」
─────数日後─────
NMT「できたよ。はいこれ。」
暴 「ちょっと待てや!オーバークオリティにも程があんだろ。」
NMT「だって○○規格とか××の指標調べて全部その通りに作ってるもん。」
暴 「(うはぁ・・・コレ依頼主にどうやって請求すんべ?)」
↑外注しに行くと大体こんな感じです。
出来上がってくる品物の品質は非の打ち所がないのですが、依頼主に金額を
請求する立場としてはヒヤヒヤものです。
ハイダーが本体に取り付けられて、ようやく完全体となります。
他のエアガンとサイズを比較すると大体こんな感じです。でけえよ。
ちなみにこの依頼品は単体のオーダーメードとしては過去最高の受注金額と
なりました。
金額に見合うだけの手間暇はつぎ込んでいるので、依頼主もきっと満足して
くれることでしょう。