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ボウコウの雑記帳

開発工房戦民思想主宰「某工房主」→「暴行棒主」→「ボウコウ」
による依頼主の妄想を実現するまでの記録と、少々アレな日々を
書き殴ってます。
ご依頼の際の参考にしていただければ幸いです。
※旧ブログの移転分のコメントや画像の表示が一部乱れてます。
何卒容赦ください。

-HEAD LINE-
[2018.01]
イサカマガジンキャリアVer.2の仕様を追加しました。
各種塗装仕様がお選びいただけるようになりました。
詳細はこちら
<< 『マルイ』南部14年式グリップの製作 | main | CA870ソウドオフ木製セット >>
オイルフィニッシュ
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    相変わらず木工鬼強化月間継続中です。

    本日は第四弾ですが、ちょっと趣向を変えて塗装の話題です。




    これは依頼品製作の際にまとめて作った試作品ですが、
    オイルフィニッシュで仕上げてあります。
    (この状態はまだ完成ではありません。)
    最近は殆ど来ませんが、以前しょっちゅう来ていた問い合わせに

    「材質はアメリカンウォルナット
     亜麻仁油仕上げでお願いします。(キリッ)」


    という内容がありました。

    「それやるとどうなるんですか?」と返すと答えられない方が殆どです。
    これは間違いなく雑誌屋あたりが無責任に書き飛ばした
    「アメリカンウォルナットのオイル仕上げこそ至高である」
    という刷り込みによる誤解です。


    木には様々な材質があります。
    それぞれの材質に合った塗料を使わないと良好な仕上がりは期待できません。
    たとえば檜は殆ど塗料が入っていかないので、当工房では顔料を併用して色を
    出した後にトップコートで目張りする手法を採ってます。

    同じ材質でも木の品質によって仕上がりは変わってきます。
    ペラッツィやベレッタ、ガンバなどの超高級散弾銃のストックは、エアガンで
    使用されているような材とは次元が異なります。
    (材料費だけで数十万円などザラです)
    同じウォルナットでも値段はピンキリです。
    元々アメリカ産ですから、日本国内に入ってくる材の品質は本国より下がる、
    或いは本国より割高になるのは仕方ないことです。
    さらに木材には「赤味」と「白太」というものがあり、芯材である赤味の方が
    価値が高く、材の品質としても上等です。

    さて、エアガンには一体どのような材料が使用されているのでしょう?
    まして中華エアガンであればそれは推して知るべし。
    中には集成材をペンキで厚塗りしてごまかしてるような代物もあります。
    (当工房ではこれを「ゴミ」と呼びます。)


    特に軍用銃は銃の生産国の植生事情から材が選定されることもあります。
    なにしろ生産数が桁違いですから。
    ロシアや日本の軍用銃にブナが多く、アメリカにウォルナットが多い理由は
    そういう事情もあります。

    ちなみにブナというのは節や曲がりが多く、建材としてはまったく使い物に
    ならないそうです。
    以前銘木店で
    「ブナなんておそらく鉄砲くらいしか使い道がなかったんだろう。」
    という話を聞いたこともあります。
    そりゃそうだ。林業で杉を植林というのは聞いたことあるけど、ブナを植林
    なんてのは聞いた試しがない。
    でも、自然の生態系を考えるとブナの方が色々といいことあるんだよね。
    (花粉症の方、お察しします)

    猟銃用で上等とされている木材は「楠」なのだそうです。
    なんでも衝撃吸収性に優れるんだとか。

    ウォルナットでなくとも世の中には優れた材がたくさんあります。
    なのでよほどのこだわりや理由がない限り、当工房が木工の依頼を受ける
    際は、材の選定を一任していただいているパターンが殆どです。


    また、オイルフィニッシュは「手間」がかかります。
    ここでいう「手間」とは製作するときのものではなく、維持管理していく際の
    ものです。
    亜麻仁油というのは天然油です。
    木に塗れば染み込んでもいきますが、表面は当然ベッタベタになります。
    拭き取っても時間が経てば少しずつ染み出してきます。
    オイルの匂いも中々消えません。
    完成/納品後も、刷り込み〜拭き取りを繰り返して育てていく必要があります。
    当工房が亜麻仁油仕上げをやらない理由はこれです。
    (亜麻仁油自体は一応持ってます)

    改造とかカスタムに興味のある方は多いのですが、メンテナンスをしっかりと
    行っておられる方というのは意外と少ないです。
    当工房に持ち込まれる依頼品たちがそれを雄弁に物語ってくれます。
    このため、亜麻仁油仕上げは年単位で育てる覚悟のある方にしかオススメでき
    ません。

    そうでなければ世の中にこれほどたくさんの合成塗料が開発/発売されている
    理由がなくなります。
    それは合成塗料の方が優れているからです。
    実際のところ、ビンテージフィニッシュなどの特別仕様を除くと、高級品には
    ウレタン仕上げが多いです。
    なんでかって?だってその方がラクで綺麗でメンテフリーだからですよ。

    亜麻仁油仕上げを謳っているメーカーさんもおられますが、天然の亜麻仁油を
    使用しているところはないでしょう。
    実際には亜麻仁油を主成分とした合成オイル(要はワトコオイルとか)を使用
    していたり、他の塗料で最終仕上げ(トップコート)を施しているはずです。

    しかし
    「アメリカンウォルナットで亜麻仁油仕上げ」
    といイメージが世間に刷り込まれている現在、メーカーさんも商売ですから、
    実際のところを言いにくい実情もあるんでしょう。
    木製パーツを内製しているメーカーはないでしょうから、木製部品に対して
    そこまで深く追求する必要も無いわけです。
    ホントにそれをやったら恐ろしい本体価格になります。

    そうなったらもはや「オモチャ」という範疇を完全に超えるでしょう。
    「最高品質のアメリカンウォルナットを使用!価格は120万円です!」
    ・・・絶対売れません。
    ※ペラッツィのオーダー品は確か300万円くらいします。


    久しぶりに長ったらしいウンチクを書き散らしましたが、では
    「オイル仕上げというものは木材の仕上げとして劣るものなのか」
    というとそんなことはありません。

    オーナー自身がオイル仕上げの特徴を理解されてしっかりとメンテを施し、
    適切な塗料を使用すれば独特の風合いが楽しめます。

    実際、最初の画像で使用した塗料はワトコオイルです。
    ホームセンターで売っている代物です。
    とはいえ、他の塗料に比べて扱いが独特なのも事実です。
    すべての材に等しく使用できるわけでもありません。
    (ワトコのサイトにも木材ごとの色見本が載ってます)





    ワトコオイルは亜麻仁油を「主成分」とする合成オイルですから、天然の
    亜麻仁油より扱いもラクですし、色乗りも良好です。
    現在オイルフィニッシュの研究を進めているところですが、製作の手法が
    確立すれば塗装のレギュラーメニューに昇格できるだけのポテンシャルは
    持っていると感じます。





    まだテストベッドによる試作が必要ですが、そう遠くないうちに良い結果
    が出せるでしょう。
    | 木材加工 | 14:20 | comments(0) | trackbacks(0) | - |









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